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【C6トーク】第六回「クリエイター コヤナギユウ氏」(後編)

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カナダ・ニュージーランドへのオーロラハント、冬のチェコ旅、日本おばかキッズ協会ゾンビイベント、上毛町田舎暮らし、世界パンダ大使への道、などなど。ジャンル、国を問わず、おもしろいことを追い求め続けるコヤナギユウ氏。

 

一方、あたらしいことに躊躇しがちな私たち。

だからあこがれる、オーロラ、ゾンビ、田舎暮らし。(※あこがれには個人差があります)

あこがれを行動に移すには、なにか方法があるのでしょうか?

 

その方法に触れるため、前編では実際にコヤナギユウ氏とあたらしいことに取り組んでみました。それが「微生物育成リップ」。6か月の共同開発を経て、ついに12月1日、発売開始です。

 

そんな長大な前振りを経ての、本題です。

「扉はどう開けばいいのか。」

 

C6トーク第六回「クリエイター コヤナギユウ氏」後編

 

 

 

(尾池、以下―)前回は開発の話ばかりになってしまいすみませんでした。(笑)でも、実際に何か行動を起こさないと、質問できないような気がしたんです。あたらしいことを一緒に体験させていただき、やっと質問できるようになったと、勝手に思っております。コヤナギユウさんにとって、おもしろいことって、何でしょうか?

 

(コヤナギユウ)考えすぎですよ!(笑)
でもなにか作り上げていく話っていちばんおもしろいですよね。特に、毛が逆立つようなおもしろさを感じるときは「誰でも思いつきそうだけど、やらないこと」を見つけたときです。
たとえば、自分が主人公の二次創作同人誌とか、高価になることをいとわず開発しちゃうリップとか、「普通やらない」の「普通」を飛び越える算段が見えたときがなににも代えがたいくらいおもしろいです。

 

―なるほど。そして誰もがうらやむようなおもしろいことには、たいてい問題が付きまといます。費やす時間。費用。権利関係。でも今回、コヤナギさんには躊躇するところがありませんでした。「扉、開けちゃいましょうよ」と。何か扉が現れたとき、開けるかどうかはどのように判断されているのでしょうか?

 

リスクに関する話でいえば、そのときはそこまで考えていないっていうのが正直な答えです。扉が見えたら、とりあえず開けちゃう! 開けてから考える。時には開けて、踏み込んで、地面がなかったりしますけど、落ちながら考える
扉が見えた段階では判断してないんですよ。「開ける」の一択です。でも、扉を探すかどうか、ってところに関してはけっこう腰が重くて、だからアイデアブレストの会とかに顔を出すのはとっても慎重です。なにか思いついてしまったら止められなくなるから、そういうところに行かないようにして、基本的には静かに引きこもっています。

 


(前編のあと、試作品のリップと共にコヤナギユウ氏はアイスランドへ取材に)

 

―冒険家の植村直巳は「危機中毒のような面もある」と言っていました。コヤナギさんの著書「アイライブユウ」には、植村直巳に勝るとも劣らないトラブルがいくつも語られています。そんな危険性、困難さにはどのように向き合っていますか。

 

前人未踏の冒険家の危機感とコヤナギの不注意レベルと同じ文脈で語らないでください!(笑)
危険性については見えていないだけなので、まったく向き合えていないのだと思います。あと、「アイライブユウ」に書いた内容は“拡張期”に起こった話だなぁと思っています。ちょっと夢のない話かも知れませんが、あの頃はまだまだ元気でした。いちおう、働きまくれば巻き返せる範囲で冒険していたつもりです。でも、読みが甘くてそれを超えてしまったわけですけど。
自分でいうのもなんですが、危機的状況や逆境にとても強い性格をしていると思います。パニックになっている人がいるほど、スッと冷静になって、マシーンみたいに物事をさばいていく「オートモード」になるんです。でも、それで平気かというと全然そんなことなく、ちょっとその危機を脱してきて、かなりしばらく経ってから、どわーっと疲れや緊張が来ます。というか、正直たぶん、いま来ています。(笑)
いま、この世に生まれて初めてこんなにやる気がないと思います。日がな一日、日なたぼっこしながらジグソーパズルして、目が疲れたら隅田川を眺めたいくらいです。いままでの「疲れたら落ちる」みたいなターンはあったのですが、ここ2、3年、いままでと勝手が違うので実はずっと戸惑っていたんですよ。で、最近認めましたね。あ、いま、回復期だと。広げるだけ広げてきた風呂敷を、ムリのない速度で巻き取って、いまはそれだけでいいっす、っていう気分です。外から見たら、全然そんな風には見えないと思いますが、そんな感じです。
困難や危機に立ち向かえる元気があるときはさばけばいいし、そういう気分になれないときは、おぼれないように乗りこなします。あ、すごく普通ですね!

 


(「天才てれびくんYOU」のゾンビ歩きをマスターせよに出演©NHK)

 

―考えさせられますね。普通に自然体で対処したいのに、それが本当に難しい。私たちが新しいことに踏み込むのを恐れるのも、うわさや批判によって自然体を失うことです。こんなこと言われたらどうしよう、根も葉もないこと流されたらどうしよう、と。あたらしくておもしろいことこそ、批判にも晒されそうですが、特にネット上のネガティブな反応とどのように付き合ってますか?。

 

まだネット上で批判されるほど売れていないのでネガティブな反応と付き合ったことはないですが、リアルな世界での他人の評価が気にならない性格ではあります。
誰にでも好かれたい、認められたいとは全然思わないんですよね。「趣味が違うんだな」って思うんです。
わたしは自分を育ててきたっていう自負があって、本当にわがままで自分勝手でした。いまも全然ダメなところはいっぱいあるけれど、直してきたところもたくさんある。それをとても評価している。それでも嫌われてしまうんなら仕方がない、と。趣味が違う、宗派が違う、って思うんです。信仰の自由はありますから、わたしを嫌う自由もあるし、わたしがわたしを認めてる自由もあると思うので。
仕事などのスキルについても同じです。イチローほどストイックには出来ないけれど、自分の許容内でちょうどいい努力を続けている。誰かの期待に添えようとムリをしてつぶれてしまっては、なんのための努力なのか本末転倒だと思うんですよ。強いて言うなら「出来ないからダメ」ではなくて「つぶれちゃダメ」が大原則だと考えています。
そんなわたしをおもしろい・好きって思ってくれるような“趣味の合う人”に、早く巡り会わないかなーっていうのが目下の望みですね。あれ? 何の話でしたっけ?(笑)
評価は自分以外の人が下すものなので、コントロール出来ないです。だから、気にしても仕方ないです。自分が好きな自分を構築いていくことに神経を尖らせていけばいいんじゃないですかね。

 

―コヤナギさんの話がおもしろいのは、やっぱり私たちの実感に近いからだと思います。自分を認める自由。好きな自分の構築に神経を尖らせる。それと個人的には、「早く巡り会わないかなー」ってところも。(笑)なんとなく思っていることを言葉にしてくれているように感じます。最後の質問になってしまいますが、新しいことに取り組もうともがいている女性たちに、ぜひ一言いただけますか?

 

わたしが歩んでいる選択肢が、日本の女性特有の人生観から大きくズレてしまっているので、わたしから伝えられることはないかもしれません。わたし、ほんと最近までほとんどの女性、いや、男性も、みんな「子どもを作りたいから結婚したい」っていう価値観を持っているって知らなかったんですよ! 本当に普通とか当たり前とか常識が備わってなくて……。
そんなわたしからいうのもなんですが、別に新しいことが全部いいこととは限らないと思うんですよね。ここにはないどこかに幸せがあるとは限らないわけで、踏み込めないことがあるなら、そのハザードも大切に聞けばいいと思うんです。なぜもがいているのか、絡みついているものがなんなのかが重要。もしそれが、対外的な評価や、自分以外の価値観や都合なら、ふりほどいてみる価値があるかも、と思います。だってあなたはその人じゃないから、あなたが予測するその人の評価や都合は妄想でしかないわけで、相談できる距離の人なら直接話すべきだし、そんな関係性でないなら無視していいんじゃないかと思うんです。いい人になりたい人はそれを目指せばいいと思うんですけど、それに疑問を感じてもがいているのならば、手放せばいいだけでは、と思います。それも、わたしに常識がないから、そんなにシンプルに考えられるだけなんだろうなって思いますけどね。参考になならなくて、すみません。

 

―いえ、読者の方々、まちがいなく頷かれていると思います。あたらしいことを始めたくても、ふりほどけずにもがき苦しむ。まずはふりほどくことに価値がある。いま僕の中では、微生物育成リップよりも、このようなお話が聞けたことの方に感謝の気持ちでいっぱいです。(笑)共同開発という半年以上の前振りにまでご協力いただき、ほんとうにありがとうございました。

 

いえいえこちらこそお声かけ下さってありがとうございました。共同開発というか、わたしからみると「こんなリップが欲しい」という夢を叶えて下さったようなものです。結果として高価なものになってしまったので、誰にでも気軽に手に取れるものではないかと思いますが、どうしても手に負えないという状況になったときに、このリップという手段があるかもしれない、そういうこころの希望的存在の「コンセプトモデル」になったらいいなと思います。コンセプトモデルが買えるって、夢がありますよね。(笑)

 

前編はこちら

 

 

 

アイスランドのきれいな写真がたくさんのコヤナギユウ氏のリップ関連記事はこちらから

 

 

コヤナギユウ http://koyanagiyu.com/

IMG_5571

デザイナー、イラストレーター、エディター。yours-store代表、東京ナイロンガールズ編集長。77年新潟生まれ。生クリームとマヨネーズが苦手で英語が不自由。ハイボールと野菜と肉が好きな、神社検定3級、世界成都パンダ大使セミファイナリスト、カナダ観光局オーロラ観光大使。

 

書籍

i live you! -KoyanagiYu.com-(一冊まるごと“コヤナギユウ”な誰得ブック!)

「給食のオバサンだった私が下北沢で自分の店を持ちつつデザイナーで社長をやれている理由」

 

twitter. @KoyanagiYu

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