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【C6トーク】第一回「アートとC6」 大地千登勢氏

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様々な分野で活躍されているC6ユーザーからお話をうかがうC6トーク。

第一回はキュレーター、大地千登勢氏です。(プロフィール

 

キュレーターとは、博物館の学芸員や、展覧会の企画者を指しますが、広義にはアートと社会をつなげるエキスパートです。

 

現在(2016年10月当時)、大地氏が取り組んでいるプロジェクトは、長崎県平戸で進められている「東西百菓之図 Sweet Hirado」。

 

東西百菓之図は、約200年前、平戸藩主松浦家35代当主が編纂したお菓子の図鑑。この百菓子之図にインスパイアされた大地氏とオランダ人クリエーターが平戸の菓子職人と協同で新しいお菓子を創り上げます。

 

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東西百菓之図

 

平戸で開かれる展覧会の準備で忙しい大地氏ですが、その合間にインタビューの時間をいただきました。平戸のあとは、さらに東京、アムステルダムと展覧会が続きます

 

大地氏が見ている世界を、少しでも覗いてみたいと思います。

 

 

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尾池哲郎(以下、―):大変な時期にこのような時間を作っていただきありがとうございます。そしていつもC6をご愛顧いただき、本当にありがとうございます。

 

大地千登勢氏:いいえ。こちらこそありがとうございます。C6すごく気に入ってます。もう手放せません。特に旅先。肌が変わったってよく言われます。それにしても博士のコラム「愛の数式」もすごいですね。本当に、面白い。

 

― ありがとうございます。実はあのコラム、そもそも東西百菓之図の企画書を読ませていただいた感動がきっかけなんです。平戸の日蘭関係や、長崎街道の専門的な内容で始まりますが、途中から文章のボルテージがどんどん上がって、「海を越えてモノが動くということは、心が伴わなければ成り立たない。」と。慌てて下線引きました。

  

そうですね、まずすべては砂糖から始まります。砂糖はあの時代(1600年以降の南蛮貿易の時代)は今よりもずっときらびやかだったですね。最初は薬として西洋から日本へ輸出されました。当時はお金以上に価値があって、日本人の生活を大きく変化させます。その砂糖が九州という地に集まったことに私はとても興味があるんです。世界の中に九州があって、九州の中に平戸がある。三重構造。誘惑のあるところに人が集まる。

 

― なるほど。

 

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海に囲まれた九州はその立地から海外との交易が盛んでした。その荷物が波止場に到着し、シュガーロード(長崎街道)ができて、街道を通っていろんな地域へアウトプットされていく。その中心が九州。だからモノは九州にとどまらない。新しいものを吸収しては上方へながして行く。だとすれば、九州には何が残るんでしょう?たしかにモノがあるのかもしれないけど、私はそれじゃないと思う。本質。いま、モノがあふれているでしょう。でも本質があるから、本質が残ってるから、きれいに見えるし、引き込まれる。圧倒的な美。

 

― 圧倒的な美。

 

ええ。うちのボス(黒川雅之氏)もよく言ってますけど、美が本質なんだと思います。美しいってことは、つまり本質なんだと思います。私が見ているのは。私にとってだけのものなのかもしれないけど。美が集まってくるところ、美が集まってくる仕掛け。その美は、美術館に集約される美ではなくて。そう。本質。いろんなところでそうした美を動かしたいし、それが楽しいし、見せたいし。それは、私たちが歴史の中で一度は経験している本質だから、うまく見せることができれば、ぜったい何かが起きると思うんです。

 

― 大地さんご自身も何に引き込まれているのかはっきりしていないと?

 

たぶん死ぬまで無理かもしれないけど、できるだけ近づきたいというか。なにか、こう、闘っている感じはありますね。かつてできなかったことをやっているということもありますし。尊敬してきた人々の足跡があり、それを掘り起こし、つなぎたい。自然と共に生きてきたし、生きていきたいし、そこに戻りたい。戻るというか、私の育った、愛した場所の周りはすっかり開発されてしまっているけど、いつか経験した心地いいもの、美しいものを共有したら、また何か始まるんじゃないかと思うんです

 

 

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― とてもすーっと入ってきました。私たちにはみな、戻りたい原風景がある。

 

そこが、美しかった、心地よかった、というのが必ずありますよね。そこを信じるのが、私の信念です。私なりにアートを勉強してきたこともあって、その視点で西洋と東洋を比べることが多いんですが、とても乱暴な言い方をするとすれば(ごめんなさい)西洋のアートは、とにかく人。いやというくらい、人、人、人、なんですね。ところが、東洋のアートは人じゃないんです。人間と自然。だからこそ、西洋と東洋が融合すると、とても面白い。いまも、そのはず。

 

― それぞれの地域でそこの本質を見せることができたら、ということですね。

 

そうです。そしてその土地でその本質をつくったのは、来た人たち。融合した人たち。美しい本質にひかれて、人が来て、モノが生まれて。九州でいろんな方々に会うと、そこの本質と共に生きてる。もちろん大変なこともあって、美しいばかりじゃないけれど、そこに美しい本質があるから、住み続けるし、生きていけるし。その本質が、ふと、外に伝わったときに、人が、わーっと集まってくるし。きっとそういうことだと思う。そういうことがしたい。

 

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― いますごくズシーンとくる言葉が出てきました。「本質を作ったのは来た人たち。融合した人たち。」そうですね。そもそもどんな地域だって、みな、「来た人たち」なんですから。

 

ええ。苦しいことばっかりですけど。もうね~。(苦笑)

 

― そうした世界に没頭したのはいつからですか?

 

2011年から。学生の時からフランス人のアシスタントバイヤーとして働いて、その後アートジュエリーの世界に飛び込みました。その世界で10年経ったら、こんどは全く違う世界が見えてきました。ジュエリーという一対一の伝え合いではなくて、自分の信じる美を、できるだけ多くの人に伝えたい、もっと大きなスケールで様々な人が心動く瞬間を表現できたらという想いが強くなりました。それから、もう、なんだかずっと、無我夢中な感じです。すみません、現状がよく分からない感じで。(笑)

 

 

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― 僕らは楽しませてもらってばかりで、ほんとうに申し訳ないんですが、だからこそ今度の「東西百菓之図」もわくわくします。その圧倒的な美に再びアーティストとエンジニアが集まり、美しい本質が形になり、さらに人が集まる。まさにそんなイベントですね。

 

はい。ぜひ、お越しください。「東西百菓之図」発表会は、10月23日の『平戸オランダ茶会』の中で開催されます。メインの場所は平戸オランダ商館でして、こちらがお濃茶席になります。この席の床の間は今回参加のオランダのクリエーターの一組、INA-MATTと、四国にてかみこやという紙漉きをやっているオランダ人クリエーターのRogier共作となり、必見です。http://kamikoya-washi.com/studioshokai/profile

その他2箇所、松浦史料博物館の閑雲亭、ここでは薄茶を、眺望亭ではオランダにちなんだランチをお出しします。その名も“Eet smakelijk _トゥ スマーケライクオランダ語の召し上がれです。

この3箇所がひとつになったものが”平戸オランダ茶会“、とても贅沢&ユニークな試みです。

もちろん、この東西百菓之図にて施作された24種類のお菓子をお濃茶、薄茶の席にて発表します。

最後に、この百菓之図を公開することを許可してくださった、松浦家41代目当主であり、鎮信流ご宗家である松浦章氏の大きな心とご協力、ご理解なくしてありえなかったプロジェクトです。本当に感謝しています。とてもユニークなオランダお茶会になるかと思います。

是非、いろんな方にご参加いただけたらと思います。参加希望の方はこちら、オオチまで!

c@candheart.com

宣伝でした。(笑)

 

― インタビュー時間に限りがあるのが本当に惜しいですが、この続きはぜひイベントで体験したいと思います。やっぱりすごく楽しかった。お忙しい中、貴重な時間を、ほんとうにありがとうございました。

 

いえ、こちらこそ。楽しかったです。ありがとうございました。

 

 

 

東西百菓之図Sweet Hirado  http://sweethirado.com/

 

 

 

 

【プロフィール】

大地千登勢 Chitose Ohchi http://candheart.com/

キュレーター/アーティスト

大学生時代よりフランス(HP FRANCE)にてフランソワーズ・セーグル・キャロル氏に師事し、バイヤーとして活動。2003年~2007年夏まで、hpgrp GALLERY TOKYO(銀座)の立ち上げから、プロデューサー兼バイヤーとして携わる。2004年、アート・ジュエリーを扱う「O-Jewel」というブランドを立ち上げ、2007年より、建築家の黒川雅之氏が主宰するK&Kにて同ブランドの活動を始める。Barocco 2009, NISHIJIN 2010などの世界のアーティストに参加してもらうコンセプト型アート・ジュエリーの展覧会やプロデュースを手がける。

アートやアートジュエリー、デザインの分野を横断し新しい側面を開拓するため、東洋、西洋の文化を融合し、ユニークな美意識を通して次なる世界を作り出している。2015年より「九州・平戸のお菓子と文化を世界に」というテーマで平戸の老舗の和菓子屋とオランダのクリエーターとプロジェクトがスタート。2月にオランダで第一回目の企画展。20161023日に平戸で「東西百菓之図」発表会を開催。2015年より、C&(チーアンド)を主宰。「美を通じて心が動く瞬間を生み出し、様々な人々に伝えたい。」

 

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【C6トーク】バックナンバー

 

 

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“【C6トーク】第一回「アートとC6」 大地千登勢氏” への2件のフィードバック

  1. kyonlee より:

    対談、ワクワクしながら一気に読ませていただきました。
    「心は急がない」。。。小粒でもキラリと眩い輝きを放つ宝石のような言葉ですね。
    FILTOMサンも北九州から眩い輝きを放っていかれる存在ですね。

    • tetsurooike より:

      kyonlee様 いつもコメントありがとうございます!「心は急がない。」アーティストの言葉は、はっと目が覚めますね。本当に仰る通り、「輝きを放つ宝石」のようです。大げさですが、動悸が激しくなり、吐く息が熱を持ちました(笑)。こんな言葉をみなさんと共有できるとうれしいですね。

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