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【C6トーク】第六回「小説家とC6」 三谷晶子氏

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今回のC6トークは、奄美群島は加計呂麻島の美しい風景からお届けします。

 


奄美大島から望む加計呂麻島

 

 

作家であり、ILAND identityプロデューサーでもある三谷晶子さんは、2013年に東京から加計呂麻島へ移住されました。 (プロフィール

 

加計呂麻島の魅力について尋ねると、リアス式の複雑な海岸線が織り成す場所によって違う海、まるで海の上に浮かぶ森のようにこんもりとした山々、どこからともなく吹くやさしい風、そして、訪れた人がみな思う、感覚的な居心地の良さについて語ってくれました。

 

今回、私たちが三谷さんを訪ねたいと思ったのは、C6の不思議なやさしさの表現方法がいまだによく分からないから。

 

加計呂麻の美しい風景の中で作家・三谷晶子氏はC6のやさしさについてどのように語ってくれるのでしょうか。そして私たちにとっての本当のやさしさと美しさとは?

 

 

 

1.海の上で切り替わる「加計呂麻時間」

 

尾池(以下、―):やっと来ることができました。加計呂麻島。LCCのおかげでずいぶん近く感じられましたが、景色はやっぱり別世界ですね。

 

三谷晶子氏:加計呂麻島は奄美の奥座敷と呼ばれていて、昔の奄美らしさが一番残っている場所と言われています。奄美大島も綺麗なところですが、フェリーに乗って20分で全然違う感覚になりますよね。私の中でも、フェリーの上で「加計呂麻時間」に切り替わるところがあって。時間の流れや風の感じも、どこか違うような気がします。実際、島の海につかるとアトピーが良くなったという話や、温泉に入っているようなとろみ感を感じる海もあって。私も、東京にいるときは乾燥に悩まされていたんですが、このしっとりと水気を含んだ空気がいいのか、昔よりもずっと肌の調子がいいです。

 

― なるほど。とろみ感というのが面白いですね。何かミネラルバランスが変わってるのかな。そしてやはり透明感がすごい。サンゴが元気がいいから、新鮮な吸着剤になるサンゴの死骸が安定供給されて、水中の微粒子は取り除かれる。加計呂麻の海水のやさしさはそんなところが原因かもしれませんね。と、分かったようなことを語ってますけど、実はここなんですよね、僕らの悩みは笑。こんな小難しい説明では、加計呂麻のやさしさは実は伝わらない。C6のやさしさも、伝わらない。

 

「肌は私たちだけのものではない」とか「人間ですら、体というたんぱく質のアパートメントの住人の一人にすぎない」といったFILTOMさんの考え方は、ユーザーの方にも使用感から何となく伝わっていると思うんです。それは、本当はすごく身近な感覚のはず。でも、真に腹落ちしてる人は少ないでしょうね。例えば、昨年、山梨県の早川町にある奈良田という集落によく取材に行っていたんです。そこにある「女帝の湯」という温泉がとても不思議な……、とろっとしたやさしい感触で。浸透圧が体液に近いのか、長い間、浸かっていても手がふやけないんですよね。その温泉は、よく「羊水のよう」と表現されているんです。自分が羊水に浸かっていた時代は覚えていないけれど笑、その感覚はたしかにわかるような気がします。

 

― 面白い秘密が隠されていそうですね。

 

ぜひ、女帝の湯も体験してみてください。一緒に行った友人でライターの小堀真子さんがお湯に入ってしばらくしてから、「これから私はこういう心持ちで生きていこうと思う」とつぶやいたんですよ。温泉に対するコメントとしてはだいぶ大仰ではあるけれど笑、その感じがすごくわかるお湯だと思います。

 

― あ、一番ただしい表現かもしれませんね。今回のトークのテーマに触れたような気がします。

 

 

 

 

2.やさしさの表現方法

 

さすがの表現力ですよね。構成作家の新井桜奈さんとも女帝の湯に一緒に行き、その時に「Non-duality(ノンデュアリティ)」という概念を教えていただいたんです。本来は二元性(Duality)など存在しない、という考え方ですね。すべてはただ湧き出ているだけ。なのに私たちは、その湧き出ているものを無理やり言葉にして、分類し、理解しようとする、この矛盾。これは、FILTOMさんの考え方と、それを言葉や化粧品で表そうとする試みに近い気がします。

 

― まさしく。いきなり核心ですね。僕らも常に二元性に苦しんでます。加熱か、非加熱か。活性か、不活性か。EGFという成分が入っているのか、入っていないのか。

 

それをデータで表現しようとするわけですよね?

 

― はい。データで表現すると分かりやすくなるはずだと思い込んでるから、つい二元性に陥る。では、それで説明できているかというと、肌で理解していることとは、何か違う。肌で何を感じているのか正直に言えば、EGFが入っているかどうかではなく、多種多様なすべての成分のバランスから生まれているやさしさ。そうに違いない。

 

そして、そのバランスが、何から生まれているのかは、よくわからないと。

 

― そうなんです。その多種多様な成分の中には当然、未解明の成分も含まれる。そして、そのバランスをどうやって表現したらいいんだろう、と途方に暮れているところに、「これからはこういう心持ちで生きていこうと思う」なんて表現を聞いちゃうと、そうなんです、それが言いたかったんです、と笑。

 

 

 

そうなんですよね。わかる/わからないじゃなくて、この感覚、という話ですもんね。そしてそれに追加する言葉があるとすれば、「私たちは、許されている」です笑。

 

― うわ、また面白い笑。自然から許されているから、心地よくなる。

 

うん。許されていなければ存在できないし、心地よくもなれないから。

 

― 体のシステムも社会のシステムも複雑で繊細だから、ちょっとしたトラブルに見舞われると、とたんに「自分は存在を許されていないのかも」と不安になる。そして温泉や海に浸かると、許された気分になる。

 

そう。デトックスという言葉に私は違和感があって。何かが悪くて何かがいいって考え方自体が二元性のもので、それが「自分は許されていないんじゃないか」という苦しみに繋がると思うんですよ。けれど、温泉が湧き出ているように、この加計呂麻島の景色が美しいように、ただ美しさはもともと存在している。だから、私たちは、あらかじめ許されているんです。

 

― とくにこんな景色の中だと実感ありますね笑。見てください、いま僕は許されてますよ、たぶん笑。

 

 

 

 

 

3.やさしさの伝え方

 

私はこの加計呂麻にきて美しさの概念が変わったんです。島に住んでいる人は、本当に自分たちのいる環境を愛しているんですよ。だから、通りすがりの人にもにこやかで、集落のお祭りや、木々や川の水や海をとても大事にしている。自分のいる場所を愛するって、自然や環境はもちろんのこと、そこで暮らす人々、そこを大切にする人々すべてを愛することじゃないですか。誰かを愛する女性は本当に美しくて、それが今自分のいる場所に対して及んだら、そりゃあもう、とっても美しいに決まっている。それを表したかったのがプロデュースした「ILAND identity」(※)。美しさと環境は切り離せないものなんじゃないかと思うんですよね。

(注※:三谷さんが2012年に立ち上げた加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド。Webサイトでは島在住の女性が、自分の住む集落を背景にモデルを務めている。)

 

― 表現がたのしいです。僕らの仕事も本来シンプルなはずなんです。新鮮な生プラセンタの新鮮な成分を、いかに速く肌に届けるか。それだけなんですが、その伝え方がいまいちわからない。伝えようとしてC6コラムに思いの丈をぶつけているわけですが。

 

尾池さんのC6コラム、お話はとても面白いんです。例えば、【C6クリスマスコラム】第一回「見えないサンタクロース」の「電子や常在菌が見えないけれどいかに私たちの生活を守っているか」などは、自分の生活の中にある身近な感覚と、化学の果てない不思議さがわかってとても好きです。

ただ、タイトルがもったいないです。たとえばC6コラムの第一回。「環境変化に立ち向かい、健康な肌を手に入れる」。たしかに内容を約したものではあるんですけど、とりあえず肌をきれいにしたい人は「環境変化に立ち向かう」ことまでは興味がない。そうなると、クリックしないですよね。

 


通りすがりの人がみな声をかけていく

 

 

4.結論は重要じゃない

 

― 確かに。クリックされないことには伝えられない。

 

コラムの目的は、肌と環境変化の関係性について興味がなかった人に、読み終わったあとに「そうか、肌をきれいにするには環境変化も重要なんだ」と思ってもらうことですよね? ならば、タイトルは結論や最終的に伝えたいことより、思わず読みたくなる導入部であった方がいいと思います。

それに、そもそも尾池さんは、結論よりもそこに至る自分の思考の流れを届けたいのではないでしょうか。文章も一緒なんですよ。結論よりそこに至る思考の流れ、過程が面白いから、読み進めることができる。結論が「いろいろあるけど最終的にはハッピーエンドになるラブストーリー」だから、面白いってことはないですもんね笑。

 

― 三谷さん、実は加計呂麻に来るまで少し不安だったんです。もちろん自分自身への不安です。でもその理由がいまわかったような気がします。C6コラムの結論を伝えるためのうまい表現を見つけたいと、そこだけに力が入りすぎてた。

 

美しさや心地よさも、きっと一緒なのではないでしょうか。絶対に伝えたいと思っても、その「絶対」って力んでいる状態じゃないですか。そうじゃなくて、ただ、湧き出ている。加計呂麻島の美しさもきっとそういうものなんじゃないかと思います。

 

― ですね。それだけに、小説家三谷さんがなぜここに住むことになったのか、という過程にはとても興味が湧くし、知りたくなる。

 

 

 

 

たしかに島に来た成り行きはよく聞かれます。宣伝になっちゃうけど笑、連載しているコラム「女子的リアル離島暮らし」(※)を読んでいただくと私がどのような流れで島に来たのか知っていただけると思います。

コラムの連載を始めた当時、連載元の代表の方々から「原稿を読んで、島に流れる風を感じました」「自分も島にいて癒されるような気持ちになりました」と言っていただけたんです。その感覚は、結論ではないんですよね。思いますけど、この、人間が感じる気持ちよさや使い心地の良さは結論ではないという部分は、化学者の方々こそ一番よく分かってるんじゃないですか?

(注※WebサイトYADOKARI内で三谷さんが連載する加計呂麻島の暮らしについてのコラム。島で暮らすことになったいきさつから島のインターネット事情や仕事事情などの話が描かれている。)

 

― はい。いま二つ思い浮かびました。頑張っている科学者ほど、自分はまだまだ分かってないと言います。そして、頑張っている技術者ほど、人の話を聞きたがります。

 

きっと、そうですよね。わからないからこそ探求したいんでしょうし、その過程が楽しいんだし。タイトルの話に戻りますが、尾池さんがおっしゃりたいことはそのままでいいと思うんです。けれど、サイトにいらっしゃった方は、FILTOMについても、尾池博士についても、まだ理解はふわっとしてる。その状態で今のタイトルをみると、あ、難しそうだ、と思われてしまう。繰り返しますが、読めば面白いだけに、もったいないです。タイトル変えましょう。

 

― はい笑。

 

 

 

 

5.タイトルのつけかた講座

 

C6コラムvol.1の「プラセンタプラズマは肌細胞の栄養ドリンク」。これも、ふらっとサイトに訪れたような人にとっては解釈に時間がかかる。だからずばり、「肌に栄養を届けるには」でいいと思います。

 

― なるほど。ずっとシンプルだけど分かりやすいです。

 

なんとなく肌をよくしたい人。なんとなくサンプルを使って、よかったからもう一度サイトに来た人。そんな人たちに、素直に知りたい、と思わせたいですよね。Vol.2「C6はものたりない?」というタイトル。これもC6という名前を知っている人にしか分からないタイトルだからもったいないな、と。たとえば……「ものたりなさが肌の強さを引き出す」。おっしゃってることは同じですよね。

 

― その通りです。「こんな心地よさで生きていきたい」という目線に近づいてますね。

 

私だったら、FILTOMさんの目線で、「美しさの本当の定義とは」というタイトルのコラムを読みたいです。現状のタイトルは、読む人を限定してしまっている。C6もプラセンタプラズマも知らない人が、興味を惹かれるタイトルになったらいいな、と思います。

 

 

 

 

― 三谷さん、即興ですごいですね。もう、トークというより、講義です。

 

笑。さらに言えばインタビュー企画のC6トークも「鍛冶師とC6」、「アーユルヴェーダとC6」とすれば、両方に興味を持つ人の関心を引くことができる。鍛冶師の方と化粧品がどういう繋がりがあるのか知りたくなりますもん。私なら、「小説家とC6」ですね。尾池さんの今のタイトルは、論文のタイトルに近いかな、と思います。読む気にさせるタイトルではなく、読む気になっている人に対するタイトルです。でも、内容は本当に面白い。それだけに、やっぱり、タイトルがもったいないです笑。

 

― ありがとうございます。三谷さんにそう言っていただけると胸が軽くなる笑。C6コラムのタイトル改造が伝える手段だったとは。納得です。すばらしい講義、ありがとうございます。しかも、こんな贅沢な空間で。

 

また来てください。チャンスがあれば早川町へもぜひ。私は加計呂麻島を「何もないけれどすべてがある島」だと思っているんですけど、それは「ただ存在することがあらかじめ美しい島」とも言えるかもしれません。みんな、存在している、存在していることはそれだけできっと美しく、許されていることなんじゃないかな、と加計呂麻島にいると思います。

 

― ええ、実感です。シュノーケリングをしなくなってずいぶん経ってましたけど、忘れてた感動を思い出しました。また来ます。ありがとうございました。楽しかったです。

 

私も楽しかったですよ~。ありがとうございました。

 

 

 

プロフィール  (元の場所に戻る

三谷晶子 Akiko Mitani 

作家、ILAND identityプロデューサー。著作に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。短編小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。2013年、奄美諸島加計呂麻島に移住。小説・コラムの執筆活動をしつつ、2015年加計呂麻島をテーマとしたアパレルブランド、ILAND identityをスタート。

三谷晶子氏連載コラム「女子的リアル離島暮らし」

アパレルブランド ILAND identity

 

 

Photograper: Satoshi Takeshita

 

 

 

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