スキンケアの目的は、もちろん、美しくなること。
前々回、まず私たち自身を知るために、「変化する生命体」について考えました。
加齢の先にも美しさはあるのか。
前回の「流れに乗る」では、皮膚を境界とする成分の流れについて見てみました。
常在菌という心強い仲間たち。
そして今回はいよいよ結論。流れをつくり、肌と地球が、美しくよみがえる。
C6理論4-3.流れをつくる
私たちは、「栄養成分の流れ」の中で生きる「変化する生命体」。生物学ではこれを「流動モザイクモデル」と呼び、解明が進んでいます。
私たちの脳や皮膚組織は固定化されておらず、絶えず変化します。これは周辺の環境変化に対応するための戦略ですが、同時に影響も受けやすく、それが肌荒れと言えます。
そのため私たちは常に理想的な流れが必要で、仲の良い常在菌と共にその維持に努めています。ぬか床はそれを直感的に見抜いた先人たちの驚くべき科学であり、理想的な流れの「保存と復元」が真の目的です。
そうした思考の中で、私はいつしか、常在菌と同じ視点まで降りていました。常在菌と同じ湯につかり、理想的な流れの秘密について対話をし始めたような気持になりました。
(私たちの温泉は、常在菌にとっての皮脂腺)
「すべてを理解し、適切な武器(化粧品)を手に入れる」などという妙な意気込みは消え、「理想的な流れ」とは何か、という根本的な問いにたどり着きました。流れに逆らわずに理想的な流れを追い求める常在菌と向き合った結果、力が抜けたようでした。
そうした対話で得た気づきの先に、追い求めてきたスキンケアの答えがありました。
「美しさとは、その理想的な流れそのもの」なのではないか。
私たちは、私たちにとって理想的な流れそのものに、美しさを見ているのではないか。
美しい自然。美しい肌。美しい唇。そして美しい女性。
女性とは、つまり、この美しい流れを体現しようとしているのではないか。
だから、美しさを追い求め続けるのではないか。
そして男性が女性を守りたくなるのは、そこに美しい流れを見出すからではないか。(キスの目的仮説)
この(私にとっての)発見は、生物学でいうところの「オスは現象である」という名言とぴたりと合致します。
女性は、流れに逆らわずに、理想的な流れを体現しなければならない。
企業はそのための「理想的な流れを作ることのできる」成分を提供しなければならない。
そして私たち男性は、「美しい流れを維持するために女性が作った道具」としての使命を負う。
さらに興奮するのは、
このスキンケアの考え方が、地球環境問題にそのままぴたりと当てはまるということ。
それを示すには、堅苦しい解説よりも、脚本風のストーリーのほうがわかりやすいと思い、作ってみました。脚本は、肌のスキンケアでも、地球のケアでも、同じ流れです。
私たちが、肌あるいは地球環境に投入するべき成分は、そこの流れ(循環、エコシステム)で機能するものでなければならない。そこにある皮膚、そこにいる人間が抱える問題だけをとらえた対症療法ではなく、投入された成分はまずシステム(皮膚、地球)を整え、次いで活力を得た小さな生物がシステムと力強く連携し、その結果うまれた適切な成分、エネルギーが、美しい流れを取り戻す。その流れを得て、最後に、人間、地球が、美しさを取り戻す。その美しさは、時代、年齢、人種に関係ない、本質的で普遍的な永遠の美しさ。
脚本1【肌のスキンケア】
人間が作り出す成分が肌細胞や常在菌との連携を失い、いつしか肌表面のシステムはスカスカ・ガタガタで、その表面の菌たちも多様性と活力を失い、敵対する菌の繁殖を許している。
まず敵対する菌を洗浄した純石鹸洗顔フォームは、泡切れよく肌表面に残らず、常在菌に不要なダメージを与えない。
そして肌に届けるべき栄養成分を過不足なく含むプラセンタC6クリームが上空から、そんな暗い肌表面へ向けて落下していく。
C6クリームが角質層に着地してバウンドすると、「バッ」と二種類の粒子に弾け散る。
一方の粒子は肌の表面に広がって保護し、もう一方の粒子は角質層の間をすり抜けて角質層の下部へ広がっていくと、スカスカでガタガタだった細胞がふくらみ、活力を取り戻し、再び皮脂の生産を復活させ、肌表面への力強いフィードバックを開始する。
皮脂成分や熱エネルギーは再構築された経路をたどって肌表面まで波のように広がっていき、常在菌たちがそれを受け止め、活力を取り戻すと、一気に分裂して増殖する。
大量の菌たちが皮脂を分解し天然保湿成分を量産し、暗かった肌表面にみるみる力がみなぎっていく。
美しい流れは全身の皮膚に広がり、最後に私たち自身が美しさを取り戻す。
脚本2【地球のスキンケア】
人間が作り出す技術とエネルギーが、いつしか地球表面のほかの動植物との連携を失い、社会が多様性と活力を失い、自然が生産性を失い、人種間に疑心暗鬼が渦まいている。
暗い社会の中で、ほかの生物や物質との連携の重要性に改めて気づいた数少ない人間の「気づき(感動、センス、アート、メロディ)」が、弾けて広がり、ほかの人間に伝播する。
気づきを受け止めた人間たちは、次第に作り出す技術の方向性を変え、ほかの動植物に悪影響を与えにくい成分とエネルギーにシフトし始める。
そうした成分とエネルギーは、まず土壌、菌、動植物に伝わり、それらとの連携が取り戻され、見えないシステムが再び力強く動き出し、それに応えるようにすべての生物、物質との相互作用が広がっていく。
それらすべての相互作用があらゆる面で正の方向に働きだすのはシステム上当然の結果である。なぜなら、もともとそうしたシステムで生まれた我々であり、それを失っていただけなのだから。
大自然の生産性の飛躍的な回復に伴い多様性も加速度的に復活し、そこで生まれる成分とエネルギーはもちろんさらなる連携を生み続ける。
最後に人間自身にフィードバックされ、スカスカでガタガタになっていた人間の社会と精神がふたたび美しい力を取り戻す。
尾池(工学博士) / FILTOM
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