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C6理論1-1.成分

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第一章.スキンケアの基礎

 1-1.成分

 

【肌細胞も微生物も同じ動物性細胞】

私たちは健康な肌を維持するため、日々必要な成分を取り込み、代謝し、新たな成分を合成しています。

 

私たちが開発しているPD膜分離法とは、そういった「成分」を取り出す技術です。もっとも重要なテーマは、海水の真水化で、海水から水(HO)だけを取り出す技術ですが、他にもビタミンやミネラルといった栄養成分や、テルペン類などの香り成分にも応用できます。

 

膜分離法は成分をそのままの状態で取り出すことができる点で優れています。熱や薬剤を使用した、加熱法や酵素分解法は成分が変質してしまうため、成分の抽出は膜分離に置き換わりつつあります。

 

また、果物ジュースや血液など、濃度と粘度が高い溶液からの抽出は、膜がすぐに目詰まりを起こすため、これまで膜分離が難しい分野とされてきました。しかしPD膜分離法はそうした分野を得意とし、動物の胎盤組織液からのプラセンタエキス抽出ができるようになりました。海水も、一見薄い溶液に見えますが、舐めればその濃さが実感できますし、実は1mLの海水中には実に1万個以上の微生物が生活しています。これまでの膜ではすぐに目詰まりしてしまいますが、PD膜分離法では目詰まりを避けながら分離することが可能となります。

 

話を成分に戻しますが、PD膜分離によって生プラセンタを抽出している時に驚いたことがあります。抽出作業は鮮度を保つために「0℃」の冷蔵庫の中で行うのですが、まだ精製途中で微生物が残っているプラセンタエキスは低温下にもかかわらず急速に腐っていくのです。腐るとは、微生物が繁殖することですが、生プラセンタは他の液体サンプルに比べて、腐る速度が速いのです。なぜか。私はこの時、唐突ですがこう感じました。

 

「肌細胞も微生物も、やはり同じ動物性細胞なんだ。」

 

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つまり、私たちの肌細胞が喜ぶプラセンタエキスの中では、0℃という低温下にかかわらず、微生物も大喜びで繁殖している。

 

本来、肌の上の常在菌に動物性や植物性という言葉を当てるのは適切ではありません。ただし、菌の生態に着目した場合、植物質成分を好む植物性菌と、動物質成分を好む動物性菌という見方ができることが知られています。

 

新鮮な生プラセンタエキスは、膜分離によって加熱処理を受けることなく、動物質栄養成分がそのままの状態、そのままのバランスで抽出されています。微生物が低温下で急速に繁殖していく。肌細胞の代謝が活発になるのも当然だと、驚きました。

 

栄養成分とは、私たちの食生活と同じく、まずはたんぱく質、脂質、炭水化物(糖類)。そしてビタミン、ミネラル。さらには有機酸、アルコール類も含まれるでしょう。挙げていくと、あたりまえですが結局、私たちの体を構成するすべての成分ということになります。まさしく、体は食べ物でできています。

 

逆に言えば、それ以外の成分は必要ないと言えます。

 

そしてバランスの観点では、上記の栄養成分の構成バランスの他に、液体の状態、つまりpH、酸化還元状態、塩濃度も重要なバランスです。胎盤は赤ちゃんを育てる器官。細胞が増殖するために適正なバランスを保っているのが生プラセンタです。動物性細胞にとっては最高の栄養ドリンクと言えます。

 

 

【成分バランスを獲得する】

スキンケア市場で、かつての公害に似た状況の一つに「配合量の競争」が挙げられます。ヒアルロン酸〇〇〇〇mg配合、といった表記が代表的です。

 

しかし肌にとって理想的な培養液である胎盤細胞液は、配合量が最高なのでしょうか。むしろ適正なバランスが、もっとも重要視されているはずです。

 

かつての公害でも、化学成分の一側面だけを過剰評価して、大量に使用してしまう光景が頻発しました。その代表例が殺虫剤のDDTであり、それに警鐘を鳴らし、バランスの重要性を訴えたのが、レイチェル・カーソンです。1962年に「沈黙の春」を出版し、過剰な化学成分の使用による悪影響と、バランスを取り戻すための方法論を示しました。これをきっかけに人類は環境問題の解決に向けて舵を切りました。

 

この出来事と肌で起きているトラブルを結びつけることに違和感を感じる方もいるかもしれません。しかし、スキンケア商品の配合成分に起きている二つの流行を危惧しています。一つは新しい成分への過剰評価です。新しい成分が、興味をそそる名称や、購買意欲をかきたてるキャッチコピーと共に登場すると、その次に、その成分の配合量を競う流れが起きます。その成分に問題はないかもしれません。しかし過剰な利用は、肌環境のバランス維持にとって脅威です。

 

もう一つは天然成分に対する過剰な信頼です。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が評価されている理由の一つに、優れたバランス感覚が挙げられます。化学成分を否定するのではなく、そのバランスを訴え、天然成分を信奉するわけではなく、その適材適所による新たな手法を示しました。天然成分といえども、その過剰な利用は、やはり環境にとって当然脅威になります。

 

特に注意しなければならないのは、天然成分は混合物である点です。天然成分はけっして安全が保障されているわけではありません。むしろ、正体がわかっている純度の高い化学成分の方が取り扱いがしやすい。レイチェル・カーソンが指摘した「生物濃縮」の怖さは、天然成分で起きることなのです。

 

ではどのようにそのバランスを獲得すればよいのか。

 

私たちは二つの指標を利用して、それを見極めることにしました。

一つは多くの方になじみのある活性たんぱく質「EGF(上皮成長因子)」で、もう一つはバランスを評価する「フィッシャー値」です。

 

 

【成分の指標、EGF】

EGFを成分の指標とする。それはすなわち、EGFだけに注目するわけではない、ということです。

 

まずEGFとは、細胞の成長と増殖を促す活性を持った立体構造タンパク質で、年齢と共に減少していきます。そのため、この成分だけに着目して「EGF高濃度配合」を謳った商品を多く見かけます。生プラセンタ中にももちろんEGFは高い濃度が維持されています。しかし私たちはEGFだけで肌が活性化されるとは考えていません。肌環境はそれほど単純なシステムではないからです。上に挙げた様々な栄養成分が、適切なバランスで、適切な量与えられたときに、はじめて肌環境は活性化します。

 

私たちはこのEGFを「成分の現状維持」についての指標として利用することにしました。EGFのような活性たんぱく質はとても繊細な成分で、熱処理や酵素、乾燥によってすぐに変質します。加熱された卵が固まり、ゆで卵になるのも同じ現象です。ゆで卵になってしまうと、もはや細胞を活性化するだけの成分もバランスも失われています。逆に、抽出後にEGF濃度がある程度維持されていれば、他の成分についても現状維持が保たれている。そのための指標に利用できると考えたのです。

 

採取前の胎盤では、EGF濃度は205pg/ml(測定時)でしたが、PD膜分離後で148pg/mlで、70%以上が維持されていました。これに対して、加熱されたプラセンタは検出限界以下でした。これから少なくとも分かることは、PD膜分離後のプラセンタに含まれる成分は、加熱処理に比べて、成分の活性とバランスが維持されている、ということです。

 

 

そして私たちが重要視するのは、上に挙げた多くの栄養成分以外にも、生プラセンタの中には未知の成分がまだ隠されているはずだということ。肌細胞の新陳代謝システムは複雑です。胎盤細胞液に含まれる多くの成分の内、一つでも欠けると、そのシステムは動きません。EGF濃度が示す成分の維持は、それらも含めての維持ということが重要なポイントです。

 

たとえば最近話題になっている「メッセンジャー物質」もその一つです。EGFのような活性たんぱく質よりも、もっと低分子で、もっと微量なため、測定が難しいですが、その重要性が少しずつ判明しています。特に臓器間の動きを伝え合う働きを持ち、人体で最も大きな臓器と言われる皮膚もこのメッセンジャー物質を介して情報をやり取りしていると考えられています。

 

つまり、肌が必要としている成分は、個別に配合しても限界がある。未知の成分も含めて、肌細胞の培養液とも言える生プラセンタの成分バランスをできるだけ維持して取り出すことが、現状取り得るもっとも現実的な手法だと考えられます。

 

 

【バランスの指標、フィッシャー値】

そしてフィッシャー値はバランスの指標です。細胞の「恒常性」と呼ばれる性質がよく知られています。生物がその内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする性質のことで、「ホメオスタシス」という言葉で記憶されている方も多いと思います。

 

フィッシャー値はその恒常性の指標であり、細胞液のバランスが適正かどうか知ることができます。平たく言えば「体への馴染みやすさ」とも表現できます。数値は6種類のアミノ酸の含有量で算出されます。イソロイシン・ロイシン・バリン・チロシン・フェニルアラニン・トリプトファンの含有量を、数式に代入して求めます。健常人のフィッシャー比は、3~4の範囲でほぼ一定の値をとり、これに近いほど、恒常性を有していると言えます。

 

肝機能などに障害を起こすと値は低くなり、1.8を下回ると症状が現れます。そうした症状に対して医療機関ではフィッシャー値の高い薬液を処方し、値上昇を促します。たとえばアミバレンという薬液のフィッシャー値は5で、リンゴは4.5です。体調が悪くなるとリンゴが食べたくなるのは、こういった数値も関係しているのかもしれません。

 

PD膜分離によって得られる生プラセンタのフィッシャー値は5.5であり、肌のフィッシャー値を取り戻すには適正な値と言えます。

 

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【成分とバランスを届ける帰水性クリーム技術】

PD膜分離によって肌に最適な成分とバランスを抽出した生プラセンタ。その新鮮な成分とバランスを確実に肌細胞に届けるにはどうしたらよいのか。そのために開発したのが「帰水性クリーム」です。

 

あまり知られていませんが、一般的な「クリーム技術(乳化技術)」とは基本的には防腐技術です。もちろん粘度が上がり取り扱いやすくなる側面もありますが、乳化すると腐りにくくなる点が最大のメリットです。水と油を小さな粒子状にすると、微生物は小さな水の中に閉じ込められ、繁殖しにくくなります。しかし逆に、小さな水の中に閉じ込められたプラセンタ栄養成分も浸透させることも難しくなります。

 

そこで私たちは、肌につけた瞬間に、肌の還元力によって水と油に分かれるようなクリーム状態を作り出せないか検討しました。そして生まれたのが「帰水性クリーム」で、肌の上で溶けるように水と油に分かれ、水溶性のプラセンタ栄養成分を浸透させることができるようになりました。

 

 

しかし、クリームの防腐性能を犠牲にしている側面もあるため、プラセンタC6シリーズに消費期限が設定されているのは帰水性が原因です。私たちは、防腐性と浸透性のバランスを探した、ということになります。

 

さらにC6シリーズ開発では、この浸透性と、できるだけ長い消費期限を両立させることも大きな課題でした。そのためには、新鮮な胎盤をすばやく処理し、鮮度を保ったまま商品化することが欠かせません。幸い、おなじ福岡県内から新鮮な胎盤を供給できる畜産者の賛同を得ることができ、胎盤から商品化までの社内一貫生産体制を作ることができ、浸透性と消費期限の両立が可能になりました。

 

尾池(工学博士)

次へ→「1-2.肌質」 

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