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C6理論1-4.洗顔

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【界面活性剤】

洗顔も化学構造で考えると、すべての現象が理解できます。

洗浄力、殺菌力、泡切れ、シャボン玉。

これらすべて、界面活性剤という成分による現象です。

その界面活性剤の代表的な化学構造が下の図です。

分子の右端がイオン化されています。

 

sodium soap - ion

 

このイオン化部分は、親水基と呼ばれます。文字通り、水となじみやすい部分です。

なぜ水になじむのか。

ポイントは「電気的な偏り」です。イオン化部分が電気的に偏っているのはイメージしやすいと思いますが、実は水も電気的に偏っています。この偏りを専門用語では「極性」と呼びます。「極端な性格」と覚えると以下の話が理解しやすくなるかもしれません。

なぜならこの電気的な偏りを「気持ちの高ぶり」として表現すると大変分かりやすくなるのです。この電気と気持ちの関係は、第2章の「化学結合な男と女」で本格的に触れることになりますが、ここでは単に「電気的な偏り=気持ちの高ぶり」とご理解ください。

水分子がHOであることは良く知られていますが、V字になっているために電気的に偏ります。つまり極性を持ちます。

電気的に偏っている(気持ちが高ぶっている)人は、同じように気持ちの高ぶっている人を探しています。極端な性格の人は、極端な性格の人を求めるのです。このように考えると、この世界の理解度が飛躍的に高まります。極性分子は極性分子を求め、非極性分子は非極性分子を求めるのです。

水は気持ちが高ぶっているため、同じく気持ちが高ぶっているイオンの周りを取り囲み、結果としてばらばらに溶かすことができます。逆に気持ちが高ぶっていない非極性分子の油は極性分子である水と混ざることはできません。

H2O

 

そのため、界面活性剤のイオン部分(親水部)は、常に水に取り囲まれます。

しかし界面活性剤のもう一端は、ワセリンのような油なので、非極性分子である油や空気(酸素や二酸化炭素も電気的な偏りがなく非極性分子です)と馴染みます。

こうしたメカニズムによって、水中で空気を包むと泡になり、油を包み込むと洗浄力を発揮し、空気中に放たれるとシャボン玉になるのです。

 

detergent

 

Phospholipids_aqueous_solution_structures2

 

シャボン玉は、空気中で界面活性剤が空気-水-空気の二重構造を作ります。この二重構造によって光が屈折して虹色に見えます。

さらに、この二重構造を利用して、動物細胞が生まれました。いわゆる「脂質二重膜」です。

したがって界面活性剤は当然、この細胞の基本構造である二重膜を溶かすこともでき、殺菌効果を発揮できるのです。

 

soap-bubble-824550_640

 

【合成界面活性剤】

ヒトが最初に手に入れた界面活性剤である「脂肪酸ナトリウム石鹸」は、弱酸系と呼びます。

脂肪酸が弱酸だからです。弱酸はつまり「気持ちが弱い」。つねに安定を求めています。

そのため、水道水中のカルシウムイオンなど金属イオンが大量に流れてくると、次々と結合し、洗浄力を失います。これがいわゆる「泡切れ」です。

 

sodium soap

 

当然こうした洗浄力の弱さは「食器洗剤用」としては致命的です。

より強い界面活性剤は作れないだろうか。

答えは簡単でした。強酸(硫酸)で界面活性剤を作ればよいのです。

下の図は代表的な合成界面活性剤である「ラウリル硫酸ナトリウム」です。

右端が硫酸イオンになっています。

 

soap - ion

 

硫酸イオンは常にイオンの状態でいつづけようとしますので、金属イオンが大量に流れてきても、安易に結合せず、強い意志で油を取り囲み除去し続けます。

これはいまでも日常生活を支える偉大な一大発明です。

しかし当然、皮膚に使うには強すぎます。肌にとってはむしろ、使用後に肌に残らない「泡切れ」の方が優先すべき性質であることは明らかです。

 

ところがそれに気が付くのには、時間がかかりました。

なぜなら、ラウリル硫酸ナトリウムの大量生産が始まり安価になったためです。

強酸系界面活性剤でさっぱりしすぎる場合を考え、保湿剤が添加されました。

そのため、洗浄後のぬるぬる感が、保湿剤によるものなのか、界面活性剤によるものなのか、判断がつきにくくなりました。肌に残った強い界面活性剤は当然、皮膚細胞に悪影響を与え、自然環境に放出された界面活性剤も、強力に作用し続けます。

 

【界面活性剤の適材適所】

もちろんその弊害に気づき、新たな弱酸系や弱アルカリ系合成界面活性剤の開発が始まりました。

しかしそもそも、天然油脂で作っていた脂肪酸ナトリウムの何がいけなかったのでしょうか。

冷静に考えれば、その機能性は肌の洗浄には最適でした。

ただ、あえて言えば、使いにくかった。

固形状で、いつも空気(酸素、炭酸ガス)に触れ劣化した面を使わなければならない。

液体の天然油脂純石鹸もあるにはありましたが(脂肪酸カリウム)、ややつんとする香りが人肌には合いにくかった。

脂肪酸ナトリウムの純石鹸は、洗浄力も香りも泡切れも、最適。ただ、固形である。それだけでした。

 

 

そこで私たちはすなおに、ジェル状でチューブに入れることのできる脂肪酸ナトリウム純石鹸の開発にとりかかりました。

メカノケミカル法を用います。粒子を粉砕することで、流動性など成分の性質を変える技術です。

ジェル状にすることでチューブに入れることができ、空気に触れさせることなく、いつも新鮮な状態で使えるようにしました。

そして「純石鹸ベース洗顔フォーム」が誕生しました。

 

【2016年9月10日追記】

2016年9月2日、純石鹸ベース洗顔フォームに関連するニュースが話題となりました。

アメリカのFDA(米食品医薬品局)が、「特定の抗菌成分を含む洗浄剤の販売禁止(※)」を発表しました。日本では各メディアから「抗菌セッケン規制開始」として報道され、日本政府も調査開始を発表しました。

FDAはこの発表において、「消費者は抗菌洗浄剤が細菌の増殖防止に対し、より効果的だと思っているかもしれませんが、我々はこれらが純石鹸と水洗いよりも有効であると示す科学的な証拠を何も得ていません。」と述べています。

さらに長期間の調査によって、「純石鹸と水洗いが最も有効的な洗浄方法の一つ」という結論を得ています。

(※:FDA News Release : http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm517478.htm

 

 

尾池(工学博士)

 

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“C6理論1-4.洗顔” への2件のフィードバック

  1. 福井悦子 より:

    こんにちは😃
    純石鹸ベース洗顔フォームを使っていますが、このコラムを読むと、当該フォームは酸性ですか?
    洗顔にはアルカリ性が効果的だと思い、アルカリ性だと思って使っていたのですが、何性なのか教えてください。

    • FILTOM Inc. より:

      こんにちは!コメント大変ありがとうございます。純石鹸ベース洗顔フォームはアルカリ性です。純石鹸をそのまま成分無調整で使用し、純水とホホバオイルでジェル化しています。ですので一般的な保湿純石鹸と同じ成分配合です。ぜひ安心してご使用くださいませ。
      ちなみに純石鹸がアルカリ性なのは、「ナトリウム」が強いアルカリであるためです。純石鹸は「脂肪酸ナトリウム」で、脂肪酸は「弱い酸性」です。しかし強いアルカリであるナトリウムが結合していることで全体として「弱いアルカリ」状態になっています。それが純石鹸がアルカリ性である理由です。弱いアルカリ性はご存知の通り、肌の上の古いたんぱく質汚れを程よく落としてくれるので、スキンケアには最適な洗浄力です。
      他にもご質問などございましたらお気軽にコメントください。LINEも便利です。ぜひご活用ください。https://line.me/R/ti/p/%40hhm3821b

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