サンタクロースが見えない存在であることは、1897年9月21日、ニューヨーク・サン新聞社の記者によって明らかにされました。
「世界でだれも見たことがない、見ることができないふしぎなことって、だれにもはっきりとはつかめないんだ。」(※)
そして見えないサンタクロースは、それ以降も、「なんにもかわらずに」、私たちに影響を与え続けてきました。
見ることができない身近な存在で、存在していることは明らかなのに、だれにもはっきりとはつかめず、それでいて明らかに生活に影響を与えているものは、他にもあります。
電子です。
下はフッ素の原子構造で、赤丸が原子核、青丸が電子です。
電子の存在が無ければ、電気は存在せず、私たちの都市は成り立ちません。
では、だれもが知っている電子の流れ(電流)は、本当に電子が流れているのでしょうか。
電子という粒が、ある時は目の前にあり、素早い速さで、びゅーんと飛んでいくのでしょうか?
それで、スマートフォンが動くのでしょうか。ネズミが水車を回すように。
そもそも見たことがありますか?
ないはずです。
電子はだれも見たことがありません。
その存在を疑う人がいないにも関わらずです。
ためしに、「電子」を検索してみてください。
想像図しか出てきません。まさにサンタクロースです。
でも「電子の雲」ならば、いくつか具体的な画像を見ることができます。
(Electron, Wikipedia, FlorianMarquardt)
いわゆる「不確定性原理」です。
電子は、位置を正確に特定しようとする程、速度が不正確になり、その逆も同様に、速度を正確に特定しようとすると、途端にどこにいるのか分からなくなります。
結局人間は、ぼんやりとした「電子の雲」しか見ることができません。
これほどまでに私たちに影響を与えているにも関わらず、です。
C6の開発で重要視した「常在菌」も、やはり見えません。
見えませんが、ここに驚くべき数字があります。
現在、地球の人口は約70億人。
一方、肌の表面に住んでいる常在菌は、実にその100倍以上、約1兆個です。
ゼロが12個。1000000000000個です。体の上に住んでいるのです。
見えないのに、この存在感。しかも感じさせないやさしさ。
サンタクロースと、電子と、常在菌。
1兆個の見えないものに守られている私たちの体と心と生活。
FILTOM
※参考文献:
「サンタクロースはいるんだ(YES, VIRGINIA, THERE IS A SANTA CLAUS)」(青空文庫, 大久保ゆう訳)
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