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C6理論4-1.永遠の美

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スキンケアはアンチエイジングと言い換えられることがありますが、一方でアンチエイジングという言葉に違和感を覚える人たちもいます。

 

同じように、永遠の若さが人類の夢であるかのように語られることもあれば、そうした考え方に興味をもたない人たちもいます。

 

永遠に若くありたいという気持ちはごく素朴な願いであるはずなのに、なぜ私たちは若さについてこうまで悩み、さまようのでしょうか。

 

本章では、前章で扱った私たちを取り巻く栄養成分が実際にどのように働くのか見ていきながら、スキンケアが目指している「美」の本質に迫ります。

 

 

第4章.栄養の流れをつくる

4-1.永遠の美

 

美しさは定義がはっきりしません。主観的なもので、人それぞれだと言う人もいます。かたや自然の美しさについて否定する人は少ないでしょう。花々や新緑、神々しい山々や、時に命を奪う海でさえ、その美しさにしばしば目を奪われます。

 

「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」(方丈記)

 

自然は常に変化しています。風と水が流れ、四季が移ろい、生き物が命をつなぎ、常に新しく変化していく。だから美しい。私たちが時に望む「変わらない美しさ」とは相反するような自然のシステム。

 

ここでぜひ、いまを生きる人類として思い出したいことがあります。それは、私たちがすでに永遠の命を手に入れているということです。いつか死ぬのが人ではないか、という反論があるかもしれません。しかし私たちが手に入れた永遠の命は、「いつか死ぬ」ことすら折り込み済みの高度に進化した生命のシステム。我々が想像する「変わらない単純な永遠の命」はとうの昔に捨てています。

 

私たち自身が忘れかけている高度に進化した永遠の命。その先に、目指している美しさがあるはずです。

 

 

【高度に進化した変化し続ける永遠の命】

太古の海の中で生まれた細胞(共通祖先:下図の中央)はまず真核生物(下図の赤)へ進化し、最初の永遠の命を手に入れました。原生生物(原生動物界)です。代表例はアメーバ。無性生殖でありDNAは変化しません。まさに最も分かりやすい「単純な永遠の命」ですが、変化しないために環境変化に対応できません。そのため私たち人類は早々にこの最も単純な永遠の命を捨て、先を目指しました。

 

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生物の進化

 

第二段階は有性生殖です。DNA情報が融合し、多様性を持つため、環境変化に対応できます。地球上のほとんどの動植物がこの有性生殖です。ミジンコなど、環境変化についていけなくなった時だけ有性生殖を行う生物もいます。しかしこの段階でも、私たちは不十分だと感じました。DNA情報の融合だけではない、もっと先があると感じたようです。

 

そして第三段階で人類は、新たに融合できる情報として「意識」を手に入れました。愛の数式で触れたように、意識世界の中で情報は融合し、常に更新されていきます。会話や論文、プログラミング言語。美しい乱雑さを維持するための高度なツールです。

 

 

【自然とともに移り変わる生命】

ここまで考えると、単純な「変わらない美しさ」がいかに進化に逆行した考え方であるかが分かりますし、かつて流行した「優生学」にも同じことが言えます。いずれも、変化を恐れる姿勢です。

 

変わることと美しさは表裏一体なのかもしれない。美しく移り変わる自然の風景の中で、同じように変わり続ける生命体の一体感。スキンケアの答えも、真の美しさも、その風景の先にあるはずです。

 

 

【厳しさも併せ持つ環境変化】

しかしその美しく移り変わる自然の風景もやさしいばかりではありません。厳しい環境変化が次々に襲います。主には、紫外線、ストレス、化学物質、そして物理的な刺激です。それらの攻撃によって皮膚表面の「心地よい乱雑さ」が乱され、肌トラブルが生じます。「乱雑さ」とは、皮膚表面の成分環境と生物環境によって作り出されている、複雑な状態のことです。(詳しくは「愛の数式」参照)

 

 「成分環境」:たんぱく質、アミノ酸、ミネラルバランスなど

 

 「生物環境」:微生物多様性など

 

これら二つの条件が複雑に絡み合って作り出される「心地よい乱雑さ」によって、強く美しい皮膚が保たれています。私たちが肌で気持ち良いと感じる、最高の乱雑さを保つのが、スキンケアの目的です。

 

図2

感性の表面もSKINの一つ

 

 

乱雑さの乱れを具体的に見ていきます。(詳しいメカニズムは最下部の【参考資料】をご覧ください)

 

たんぱく質は皮膚の材料ですが、紫外線はその設計図であるDNAに傷をつけ、たんぱく質の不良品化を起こします。さらに紫外線はアミノ酸も変質させ、老化に大きく影響していることが近年わかってきています。

 

アミノ酸やミネラルはそのバランスも重要です。紫外線以外でも、生活習慣やストレスでそのバランスが崩れます。バランスが崩れると、皮膚の再生、保湿成分の生産がうまくいかなくなり、肌荒れの原因になります。

 

そして皮膚上の常在菌たちは、紫外線、合成界面活性剤、抗菌剤、そして物理的な刺激(搔きむしり、過度の洗浄)によって大幅に失われます。その結果、保湿成分の生産が行われないばかりか、悪性菌が繁殖します。

 

こうした変化によって、肌トラブルや老化の促進が起きます。場合によっては、長期間、心地よい乱雑さを感じるチャンスも失われます。心地よい乱雑さを忘れることは、永遠の命の本来の姿を忘れてしまうということです。

 

 

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生物多様性が失われた皮膚

 

 

【心地よい乱雑さのシェア】

こうした悪循環を断ち切り、心地よい乱雑さを取り戻すことこそが、スキンケアの目的。

 

しかし、心地よい乱雑さは複雑です。それを一から作ることは難しい。まだ解明されていない成分さえも、その心地よい乱雑さの構成要素の一つ。個別の成分、新しい成分では限界がある。

 

では、心地よい乱雑さを失ったとき、それをどこから取り戻せばいいのか。

実はこれこそが、私たちが他の生物と共生している理由。多様性の最大のメリット。

 

同じ時代に、シンクロするように変化しつづけている生命体と、「心地よい乱雑さがコードされた材料」をシェアするのです。紫外線や熱、酵素による影響を受けていない新鮮な材料。

 

その一つこそが、生プラセンタです。

 

成分変化を伴わないPD膜分離だけの精製にこだわるのはそのためです。熱処理や薬剤処理や酵素を用いない、新鮮な材料だけに、ここちよい乱雑さがコードされています。

 

そして、ミネラルバランスについても、私たちはすでに、ここちよい乱雑さがコードされた水の湧いている場所を知っています。温泉水です。

 

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心地よい乱雑さがコードされた泉

 

私たちは常在菌と共生関係にあるので、かれらの心地よい乱雑さも尊重しなければなりません。毎日の洗浄に使用できるのは、常在菌にとって心地よい乱雑さがコードされた界面活性剤だけ。それは一つしかありません。

 

天然の油脂を使用した純石鹸です。

 

こうした適切な材料によって、心地よい乱雑さは回復できます。回復後に感じるのは、フル稼働を取り戻した皮膚細胞が生み出す力。体の内側からみなぎる力。これこそが、私たち本来の強さと美しさです。

 

 

【究極の快適さがコードされた愛の湿布】

さらに考えを飛躍させ、心地よい乱雑さがすべてコードされた、「常在菌湿布」の開発を検討したこともありました。常在菌だけでなく、アミノ酸、ミネラルなど、すべてがコードされた湿布。それを貼れば、アトピーで崩壊した微生物の多様性や、成分環境を回復できるのではないか。こうした考え方に一時はとらわれ、興奮しました。

 

しかし、しばらく経ち、ふと考えるのをやめました。自分の手の平が、まさにその常在菌湿布だからです。アトピーで荒れた皮膚を、手のひらで包むと、じんわりと暖かくなり、手のひらから、保湿成分が補給されるのを感じます。しかも、何とも言えない安心感にも包まれる。

 

これはつまり、なつかしく心地よい乱雑さに包まれることを、肌が望んでいる証拠です。

 

仮に微生物湿布が開発できたとしても(あれば便利だと思いますが)、この安心感までは得られないと思いました。心地よい乱雑さを構成する成分の中には、まだ未解明のものも多いからです。

 

心地よい快適さを理解したつもりになりそのような湿布を作ることは、まるで最初の第一段階の永遠の命にあこがれることに似ているような気がしました。「手当て」は、すべての心地よい乱雑さがコードされた、究極の愛の湿布。スキンシップは、生プラセンタも超える、究極の愛情表現だという、当たり前の話に行きつきます。

 

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微生物もスキンシップ

 

【都市の心地よい乱雑さ】

最後に、本稿に関連する、もう一つの重要なプロジェクトを紹介して終わりたいと思います。スキンケアの答えを見つけるための両輪をなすプロジェクトです。

 

都市でもまさに、肌荒れに似た画一化した状態が続いていますが、多くの方々の努力によって、少しずつ、手当てが施されています。九州工業大学の伊東啓太郎研究室は、都市の心地よい乱雑さを忘れないうちに、その記録を残しつつ、早期の回復を目指して日夜研究を続けています。都市の心地よい乱雑さ(生物多様性)を取り戻すため、循環システムや分離技術といった複数の技術を組み合わせた高度なシステムを開発しています。FILTOMは、このうちの膜分離技術に関する分野で共同研究に携わっています。

 

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月に一度のゼミに参加し、スキンケアとランドスケープデザインで得られた知見をお互いにシェアし、心地よい乱雑さの回復技術について議論を進めています。それが、FILTOMの最終ゴールである、PD膜分離による低コスト海水真水化の実現にもつながるからです。

 

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皮膚と都市。

 

この二つのSKINにコードされたここちよい乱雑さの共通点には、驚かされるばかりです。

FILTOMは、この両方のSKINの快適さを追求していきます。

 

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尾池(工学博士)

次へ→「4-2.流れを知る」

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【参考資料】(元の場所に戻る

紫外線はたんぱく質の設計図であるDNAに傷をつけ、それによってたんぱく質の立体構造にミスフォールディング(不良品化)を起こします。不良品のたんぱく質は、正常な相互作用ができないので細胞の生理活動や免疫系を乱します。

さらに紫外線はアミノ酸も変換させ、老化に直接影響していることが近年わかってきました。

人類は体内において、L型のアミノ酸、D型の糖類だけを利用しています。L型、D型というのは、立体構造の違いで、分子式は同じですが、構造が変わるため、働き方も変わってしまうのです。L型のアミノ酸が紫外線を受けると、徐々にD形に変化していき、それが皮膚の老化につながっていることが分かってきました。さらに年齢を経るに従い、このD型化が起きやすくなり、それが紫外線によってさらに促進されてしまうのです。相応の年齢よりも老化が進むのです。

 

さらにアミノ酸バランスも重要な「乱雑さ」です。アミノ酸バランスはフィッシャー比を算出することによって、その変化の度合いが分かります。フィッシャー比は代表的な6種類のアミノ酸値から算出でき、その通知によって、健康状態や老化の程度が分かります。健康な皮膚ではフィッシャー比は3-4で一定していますが、身体機能が低下すると2以下に減少してしまいます。

 

ミネラルバランスは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物イオン、重炭酸イオンを測定することで、その変化を評価できます。この中でも特にカリウムの変化に注意が必要です。現代人はカリウムの獲得チャンスが少なくなり、慢性的なカリウム欠乏になりやすい状態なのです。かつては、地下水(井戸水)など天然のミネラル豊富な飲用水によって補給できていましたが、近年はその機会もほとんどなくなりました。

 

そして皮膚上の常在菌たちは、紫外線、合成界面活性剤、抗菌剤、そして物理的な刺激(搔きむしり、入浴)によって、容易に壊滅的な打撃を受け、多様性が失われていきます。入浴の仕方によっては、数兆個と言われる微生物の半数以上が失われるというデータもあります。多様性を失った皮膚の生物環境では、自然環境の土壌と同じく、食物連鎖が失われ、捕食者(微生物)による保湿成分の生産も行われなくなります。

 

 

 

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