ふきんや雑巾はなぜ濡らしてから使わなければいけないのでしょうか。
二つの理由があります。
1.汚れを吸い取るため
水で濡らしたふきんや雑巾は、汚れを水で絡めとることができます。
2.汚れをさっと流すため
そしてこの二つ目の理由が大事です。最初に水で濡らしたふきんや雑巾の繊維の表面は、薄い水の層でおおわれています。そのため、汚れをふき取った後、水を含ませて絞ると、汚れが繊維にくっつかずに、さっと流すことができます。
乾いたまま汚れをふき取った場合、それを濡らして絞っても、汚れがあまり取れないご経験があるかと思います。それは水の層がなかったからなのです。
実はこの原理、高度な膜分離にもそのまま当てはまります。
FILTOMのPD膜は、超親水性の「完全再生セルロース」でできています。
ふきんや雑巾、ティッシュと同じセルロースです。
この世でもっとも親水性の高い材料がセルロースです。
PD膜はまず純水で濡らしてから使います。どうせプラセンタで濡れるので、わざわざ純水で濡らさなくてもよさそうですが、膜の表面に薄い純水の層を作ることで、プラセンタの栄養成分が膜に吸着することを防ぐのです。
しかもこの水の層、とても頑丈です。
長時間使用しても水の層が壊れることはなく、プラセンタの栄養成分をそのままの状態、そのままの濃度で取り出すことができるのです。
最強の生物である植物が体の材料にセルロースを採用しているのは、こうした理由からなのです。土から吸い上げた養分を、そのまま状態を保ちながら余すところなく体の隅々に運ぶためです。
そして私たちも、セルロースほどではないですが「リン脂質二重膜」という親水性の高い細胞膜を採用しています。生体反応はすべて水溶液中で行われます。親水性は、水溶性の栄養成分を利用する上で欠かせない性質なのです。
FILTOMもこうした理由から、多くの膜素材の中で「完全再生セルロース」を採用しているのです。
尾池(工学博士)