実績40年以上の美容家、岩永恵琴(いわながけいこ)氏の美容コラム。尾池博士とのコラボレーションが美容の新境地を開きます。
美容家として培った理論と技術を後進へ伝える人材育成にも取組んでいます。
1-7「乾燥スパイラルからの脱却」(English)
一般的な化粧水やクリームは、何かが肌上に残り、しっとりします。
テクスチャー重視の方は
この肌上に残ったものを保湿と誤解し、日頃からタップリ塗るという行為を加速させているのかもしれません。
保湿成分を与え過ぎると、肌は勘違いして本来の皮脂生産を減退してしまいます。
肌細胞が皮脂を生産しなくなると、常在菌が減少し、肌の保湿システムが更に弱くなります。
いわゆる「乾燥スパイラル」です。
[健全な保湿サイクル]とは
肌はまず皮脂を生産します。
↓
それを、常在菌がグリセリンと低分子の保湿成分に分解します。
↓
低分子保湿成分が減少すると、肌細胞はそれを察知して、再び皮脂の生産を開始します。
健全な肌は、自力で天然の保湿成分を生産し続けるのです。
しかも、必要に応じて!
乾燥気味だからと保湿成分に頼りすぎると、再び負の連鎖に陥ることになります。
では、具体的にどうしたら良いのか?
そこで、まず良く耳にする保湿成分の特徴を比較してみましょう。
[ヒアルロン酸]
[セラミド]
などの
高分子保湿成分は
・少量で大きな保湿効果を発揮する
・肌への微調整ができない
・分子構造上、必要なくなった後も肌に長時間残ってしまう
[グリセリン]
[アミノ酸]
[プロピオン酸]
などの
低分子保湿成分は
・保湿力が小さいため量を必要とする
・肌に合わせて微調整できる
それぞれ、一長一短ありますが、
結論から言えば
肌が本来必要としているのは、低分子の保湿成分です。
肌にとって、多く残る成分は時として負担になり、
微調整可能な成分はその時々で都合よく働くからです。
そして、元々肌に備わる天然の保湿成分も低分子です。
乾燥スパイラルからの脱却法は
健全な「保湿サイクル」を作ることです。
[健全な保湿サイクル]
水分をたっぷり補給し、低分子の保湿成分を適度に与える
↓
徐々に保湿成分を減らしながら
栄養成分を増やす
↓
そして、、
自身の皮脂が分泌するのを辛抱強く待つ。
保湿とは「水」の補給であり
「乾燥の防止」については
肌自身が生産する「低分子保湿成分」に任せる。
とてもシンプルですが、これが「健全なる肌」への王道です。
ただし、ここで注意すべき点は、この「水」に何を使うか?ということであり、
とても重要なポイントになります。
洗顔後の肌は無防備に吸水するからです。
その辺りは又別の機会にお伝えしたいと思います。
そして、さらに「肌トラブル」を紐解いていくと、、
あくまでもスキンケアの基本は単なる対症療法であって、
解決には至らないということに気付きます。
では、、もっとも大きな原因は何なのでしょうか??
それは、ズバリ、「ストレス」です。
という訳で、
次回は、肌荒れとストレス
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お客様は、ハーブピール後、日に日に肌が悪化し、手に負えない状態で当サロンに来られました。
バリアーが崩れ、水分保持力が極度に低下し、肌上のバランスが著しく乱れていた為
機能回復に一年以上かかりました。
二か月後
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